2009年5月29日金曜日

新医療法施行後の医療法人制度活用のポイント

皆さんこんにちは。湯沢会計事務所の湯沢勝信でございます。
前回現在の医療法人でも充分にメリットがあるというお話しをしました。
本日はその具体的な活用法についてお話しします。

新法施行後につきましては、医療法人がもし後継者がいないので解散、という事になると、医療法人の中に残ったお金を精算しなくてはならなくなります。売掛金や買掛金を精算して、院長先生や従業員の方に対して退職金を支払う。そういったものの支払っても、尚お金が残っている場合、このお金は他医師会や医療法人や地方自治体に没収されてしまう、という事になっています。
これを避けたいのなら、法人の中に余っているお金を計画的にコントロールする、即ち医療法人の中にお金を貯めすぎない、という事が重要になってきます。

それでは実際にどんな方法があるかと言いますと、これには二つの方法があります。
一つは役員報酬を上げる、もう一つは解散せずに売却する、という事です。

1.役員報酬を上げる
後継者のいない医療法人ならば、年に一度は昇給できますから、積極的に先生方の給与を増やして全て使い切ってしまえば、解散時に余分なお金が残る事はありません。
また退職金に使用する、という方法もあります。しかしこの退職金には法律で定められた限度額というものがありますから、この範囲内に抑えた額にするというのが大切です。
では、具体例で考えてみましょう。

医療法人の場合、医療法人の理事長先生につきましては、一年勤務するごとに月給の三ヶ月分を退職金として貰う事が出来ます。
ですから二十年間勤務して月給が200万円であれば、

200万円×20年×3=1,200万円

という事で、1,200万円の退職金を取る事が出来るのです。
ですから毎年給料を決める中で、全部を給料で取るのでは無く、月給の三ヶ月分を法人の中に残しておけば、退職する時にそれを退職金として貰う事が出来るわけです。
例えば院長先生の給与を引く前に3,000万円の利益が上がっているならば、3,000万円を12で割るのではなく15で割ります。そうすると、200万円×12ヶ月=2,400万円を給与として貰い、200万円×3ヶ月=600万円が医療法人の中に残ります。この年間600万円の積み立てが、最終的に退職金として貰える額になります。
こうすれば、医療法人の中に余計なお金が残る事はありません。


湯沢会計事務所
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