2009年6月16日火曜日

業績悪化改定事由に該当する「経営状況の悪化」の範囲3

皆様こんにちは。湯沢会計事務所の湯沢勝信でございます。
本日は前回に引き続きまして「業績悪化改定事由に該当する経営上の悪化の範囲」について。
その具体例を挙げて解説させて頂きます。

具体例
1.株主との関係上業績や財務状態の悪化についての役員としての経営上の責任から役員給与の額を減額せざるを得ない場合
・・・ですがこれがどういった時に使われるかという事を考えると、基本的に「株主と経営者が違う人間である」=「大手の会社」のケースの場合、という前提なのです。
大きな会社でしたら株主と経営者は別ですから、経営悪化を株主に説明する手前役員給与を下げる必要があるというのも頷けます。
ですが医療法人の場合には大抵が同族経営になりますから、その場合にはこういった事由に当てはめるのは無理があるかもしれません。

2.取引銀行との間で行われる借入金返済のリスケジュールの協議において、役員給与の額を減額せざるを得ない場合
・・・リスケジュールというのは即ち返済の期間を伸ばして欲しい、金利を下げて欲しい、元金の返済を猶予して欲しいなどの交渉の事です。こういった状況になった時には当然役員給与も下げるべきという事になるでしょう。
ですがリスケジュールをするような場合、現実問題として立て直しは困難です。また一般の法人では一度リスケジュールをした場合もう二度と借入れる事が出来なくなります。どちらかと普通は「利益を出したい」→「役員給与を下げる」というケースが多いです。
という事で、このケースも現実的にはあまり使い道がなさそうです。

3.業績や財務状況又は資金繰りが悪化したため、取引先等の利害関係者から信用を維持・確保する必要性から、経営状況の改善を図るための計画が策定され、これに役員給与の額の減額が盛り込まれた場合。
・・・この例は大変にファジーで使い勝手が良いと思われます。
即ち現状(業績・財務状況・資金繰り)を見た場合に、このまま役員給与を取り続けていくと赤字になる、またはお金が返せなくなるといった時。こういった時には「経営計画」を作ります。
この「経営計画」は中期計画と言われていて、大体3~5年の計画になります。
これを作って、この計画の中に「役員給与を下げている」という事を明記していれば認められます、という事なのです。
この例が中小企業にとって尤も現実味があり、利用出来るのではないかと思います。

では具体的にどう利用すれば良いかは次回お話ししていきます。



湯沢会計事務所
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